ハーフブラックブルーを増やしているとちらほと違和感を感じる個体が出てくることがある。今回はそれを纏めていこうと思います。
そもそもハーフブラックブルーの通常の表現としてはこんな感じ。べた塗りのタキシードに濃いブルーテールが特徴で、青の濃淡はメスの選別・個体差によるところが大きい。今回の記事ではメスは関係ないので省略します。
例の個体
これがその個体です。特徴としては肩に赤斑が出る事と、尾びれを形成する力が弱い点です。
何故か、少なからず尾びれが中落ち(尾びれ真ん中が凹む)しているのです。
更に別の個体。この個体も赤斑と中落ちしています。
これは一番分かりにくい個体ですが、しかしよくみると2つの特徴が出ています。
赤斑と尾びれ形成不全、この2つには明らかに相関があり、もはや偶然の一致とは言えません。
一番特徴の出た、別の個体。胸鰭で隠れていますが、赤斑も出ています。
何故違和感を感じるのか
そもそも私が違和感を感じたのはタキシードの濃さと範囲なんだと思います。
ハーフブラックブルーのタキシードは胸鰭直前までタキシードが乗り、ベッタベタの黒です。
ドイツイエロータキシードやレッドテールタキシードのものとは明らかに違います。
これらの個体は良く見るとタキシードこそあるものの範囲が若干足りていません。
考察
私の考察になりますが、前提としてハーフブラックブルーのタキシードは従来のものとは違います。もしかしたらタキシードの遺伝子を複数持っているのかもしれません。
そして、そのべた塗りタキシード遺伝子は尾びれを整える作用があり、その遺伝子が抜け落ちる事でこのような結果になったのだと思います。
ちなみに、この個体の出現率は一腹に一匹程度で、グッピーは割とそのような確率で遺伝子が何処かに飛ぶことがしょっちゅうあります。
そして私が一番書きたかったこと、それはこの記事と酷似しているという事です。つまりモスコーグリーンでも同じ現象が起こっていたのではないかということです。
全身漆黒のモスコーがそれを失った時、頭部部分の発色は消え尾びれが作れなくなる。
もしかしたらハーフブラックブルーとこのモスコーグリーンは同じ複数のタキシード遺伝子を持っていて、共にそれが欠落することでこのような現象が起こるのかもしれません。
或いはタキシードに作用する遺伝子でしょうか。そもそもタキシード+タキシードではない別の因子の組み合わせかもしれない。
分からない事だらけのグッピーは底が見えないですね。それが面白いです。