ドイツイエロータキシードの特徴
- ドイツイエロータキシードの特徴
1.ドイツイエロータキシードの特徴
ドイツイエロータキシードは国産グッピーの中でも「御三家」と呼ばれ、屈指の人気を誇る品種です。大きく開いた純白のデルタテールと下半身のタキシードが特徴です。
形質や体質が非常に安定している為、ブリードの入門品種として最適といえるでしょう。創りこまれたドイツイエロータキシードのレベルは非常に高く、コンテストでも出展数が一番多い品種です。
2.ドイツイエロータキシードの歴史
ドイツイエロータキシードはドイツの歯科医によって作出され、1969年に輸入された品種です。
輸入当初は体質が弱かったようですが、ネオンタキシードやパイナップルなど、シンガポール産の所謂「外国産グッピー」との交雑により改善され、現在では剛健な品種となっています。
当初の尾びれはクリームイエローでしたが、尾びれの白さが重要視された結果、現在のドイツイエロータキシードは真っ白に近い色調となっています。
また、本来はこめかみの赤班と呼ばれる表現が安定して発現していたようですが、現在は偶発的な表現になっており、目にする機会は多くありません。
3.ドイツイエロータキシードの遺伝的性質
ドイツイエロータキシードの下半身を表現している「タキシード」の遺伝子はオス、メス両方の性染色体に存在しています。
尾びれのホワイトテールは分かりやすい単色の為、赤系や青系のグッピーと比較して色調の振れ幅も少なく、分離するといった事もありません。
以上の点から、遺伝的な安定度は高く表現の維持は容易です。
4.ドイツイエロータキシードの維持難度
維持難度:★★☆☆☆
ドイツイエロータキシードは剛健な品種であり、体質的にも丈夫なグッピーです。遺伝的にも安定しており、表現が崩れることはまずありません。
一方、クオリティーの維持には注意点がいくつかあるので代表的なものを次項で紹介します。
4.1尾ビレの厚み
ドイツイエロータキシードは白い尾びれが良しとされていますが、尾の白さを追求すると尾びれが薄くなる傾向があります。尾びれが青く見えるドイツイエロータキシードは顕著に薄くなっているため、改良が必要です。
4.2尾ビレのシミ
元々ドイツイエロータキシードの尾の根元には黄色い発色が見られますが、これ自体は問題ありません。
しかし、その他部分への黄色い発色はシミと見なされるので雄や雌の選別際は注意しましょう。
黒いぽっち状のシミは雄に表面化することは殆どありませんが、雌に表現されることがあります。
放置しておくと雄にも表現されるようになってしまい、雄の黒シミは非常に大きなマイナス要素なので選別で必ず外すようにしましょう。
5.ドイツイエロータキシードの創作難度
創作難度:★☆☆☆☆
ドイツイエロータキシードは品種として確立されているため、基本的には系統の違うドイツイエロータキシード同士でクオリティアップを図ります。
ドイツイエロータキシードはブリーダーの多さから創りこみのレベルが非常に高く、そのような系統を用いての良個体作出は比較的容易です。しかし、コンテストでの競争率が非常に高く、要求されるレベルも段違いです。
6.ドイツイエロータキシードのバリエーション
ドイツイエロータキシードはバリエーションが豊富であり、様々な表現型が作出されリリースされています。
これらのヒレや体色が変化する遺伝子は主に常染色体に位置しており、同じドイツイエロータキシードでも様々な魅力を見せてくれます。
次項では代表的なバリエーションを紹介します。
6-1.RREAドイツイエロータキシード
RREAのドイツイエロータキシードはRREA系の中でもメジャーです。RREAになることでボディの淡さが尾びれとマッチして美しい品種です。
6-2.ドイツイエロータキシードリボン
各ヒレが伸長するリボン表現は大変優雅で人気があります。尾びれのデルタが整いやすいリボン遺伝子はデルタ品種との噛み合わせが非常に良く、相性も抜群です。
6-3.ドイツイエロータキシードスワロー
尾びれがランダムに伸長するスワロータイプは難度こそ高いものの良個体の美しさは圧巻です。
6-4.ルチノードイツイエロータキシード
ブドウ目と呼ばれるルチノー遺伝子はアルビノ表現の先駆けであり希少性が非常に高いです。ルチノー独特の雰囲気は神秘的で、鏡のような目が個人的に好きです。
6-5.サンセットドイツイエロータキシード
ドイツイエロータキシードのサンセット表現はサンセットを組み込んだ品種の中で断トツの人気を誇ります。本来サンセットは各ヒレがボディの色調とシンクロするのが特徴です。タキシードを有する個体は胸鰭に色が乗りやすく、「サンセット=胸鰭が染まるだけ」という誤認には注意が必要です。
サンセットドイツイエロータキシードには独特の発色や体型も見られますが、現在では顕著な個体は見かけなくなったように思います。背びれや胸びれ、尾びれの形にも変化があり、胸鰭が伸長した表現はガルウイングと呼ばれ人気が高いです。
6-6.ドイツイエロータキシードハイドーサル
背びれが大きくなるハイドーサル因子(ビッグドーサル、メガドーサル)を組み込んだ品種は多いですが、ドイツイエロータキシードでは殆ど見られないので作出が必要です。
ハイドーサルが揃った個体は背びれが非常に大きくなり、圧倒される迫力です。
6-7.プラチナソリッドドイツイエロータキシード
頭部に光沢が見られるプラチナ遺伝子、ボディにかけて光沢が見られるソリッド遺伝子の複合事例です。
同じドイツイエロータキシードでも遺伝子によってテイストが全く異なることが伝わるかと思います。
これらのバリエーションはキリがない為、次項の複合表現でラストにします。
6-8.ドイツイエロータキシードの複合表現
これまで掲載した表現型は複合させることが出来ます。
例として雄はサンセットドイツイエロータキシードリボン、雌はゴールデンドイツイエロータキシードビッグドーサルスワローです。
(掲載外のバリエーションにもタイガーやグラスベリー、スーパーセルフィン、メラーなど複数存在します。)
7.ドイツイエロータキシードの入手難度
入手難度:★☆☆☆☆
ドイツイエロータキシードは国産グッピー屈指の流通量を誇り、全国どこでも入手が可能です。アクアショップで購入できますが、ブリードやコンテストを目指す方はグッピーコンテスト現地での直売や専門店を頼ると良いでしょう。
8.おわりに
今回は第一弾としてドイツイエロータキシードの紹介をしました。
ドイツイエロータキシードの基本的な特徴だけでなく、表現の幅広さや各魅力が伝わった事かと思います。
この記事がドイツイエロータキシードの飼育やブリードを検討している方のお力になれたら幸いです。
本サイトでは管理人のブリード記録や写真などを掲載しています。今後も様々な品種を紹介していきますので、興味があったら是非また遊びに来てください。