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グッピーに白い綿のようなものが付く!水カビ病の原因と治療法

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グッピーの水カビ病

今回はグッピーに見られる病気の1つである水カビ病について解説していきます。

以下の症状に当てはまる方は水カビ病の可能性が高いので要注意です。

グッピーの体が変に白っぽい

グッピーが酷い尾ぐされ病にかかっている

グッピーの体やヒレに白い綿のようなものが付着している

水カビ病とは?

熱帯魚を飼育していると、エサの食べ残しなどに白いふわふわとしたカビが生えるのを一度は見たことがあると思います。

これは通称「水カビ」と呼ばれる真菌の一種で、水槽内に存在する常在菌です。

 

この水カビがグッピーの体やヒレに付着する病気を「水カビ病」といいます。

 

既に病気のグッピーが二次感染で引き起こしやすい病気です。

水カビ病に感染する原因

寿命を迎えようとしているグッピー(生後一年半)
老化によって尾びれが溶けてしまい、水カビ病を発症した。

水カビ病に感染する主な原因について解説していきます。

これまで、グッピーの病気はストレスなどによる免疫力低下と説明してきました。

水カビ病でもそのように解説されている記事もあるかと思います。

 

しかし、水カビ病を発症する直接の原因は、患部や壊死した部分への感染です。

つまり水カビ病は、外傷を負った部位でしか発症し得ないということです。

 

ではどのような外傷によって感染するのか詳しく解説していきます。

・輸送による外傷からの感染

グッピーが外傷を負う原因として真っ先に挙げられるのは、輸送によるスレ傷です。

 

グッピーを購入したら、必ず袋に入れて自宅まで持ち帰ることになりますよね。

その際に複数匹がまとめて1袋に入ることもあるかもしれません。

 

そのような状態で乱暴に扱うと、グッピー同士や袋との接触などによって粘膜が剥がれたり、外傷を負う可能性があります。

 

多少粘膜が剥がれた程度で水カビ病に感染することはそうありません。

しかし、皮膚が充血したりヒレが折れてしまうほどの外傷ですと、水カビ病に感染するリスクも出てきます。

 

また、網の使用などで魚体やヒレを傷めてしまった場合も同じ状況になりますので、感染しないように気を付けていく必要があります。

上記のような、昔ながらの網は目が細かく魚体にも安全です。

・突きあいによる外傷からの感染

メスに突かれてボロボロになったヒレ

輸送で外傷を負うというのはレアケースです。

殆どの人は魚を大事に持ち帰りますし、通販の場合でも丁寧に梱包されています。

 

では、外傷由来の水カビ病で一番多い原因は何でしょうか?

それはグッピー同士の突きあいです。

 

基本的にグッピー同士の喧嘩では重傷を負うことはまずありません。

グッピーには相手を傷つける歯がありませんし、お互い抵抗するので喧嘩両成敗で終わります。

 

しかし、稀に一方的な虐めのような状況になってしまうことがあります。

特に大きなメスがいたり、狭くて逃げられない環境だと起こりやすいですね。

 

そのような一方的な突きが発生してしまった場合、ヒレがボロボロになるまで突かれてしまいます。

場合によっては瀕死になってしまうことも…。

 

突かれたグッピーヒレの条がむき出しになってしまうので、傷口が無防備になり、水カビ病に感染するリスクが非常に高くなります。

 

軽い喧嘩でヒレが割けたり、少し欠けてしまっただけであっても注意が必要です。

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グッピーの裂傷についてはこちらで解説しています。

・カラムナリス感染症からの二次感染

ここまでで水カビ病が傷口からの二次感染によるものだということはおわかりいただけたと思います。

 

そんな水カビ病に感染する原因として最も挙げられるのは、カラムナリス感染症による傷口からの二次感染です。

 

そもそもカラムナリス感染症とは、カラムナリス菌と呼ばれる常在菌に感染することで引き起こされる病気です。

グッピーの免疫力が低下した際に発生する可能性があります。

 

カラムナリス菌は感染した部位によって尾腐れ病・口腐れ病・皮膚の壊死などを引き起こします。

グッピーは長く柔らかなヒレを持つため、特に尾腐れ病には感染しやすく注意が必要な病気となります。

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尾腐れ病についてはこちらで解説しています。

 

そんなカラムナリス感染症を起こすと、感染部位は溶けたり壊死を引き起こします。

結果、傷口に水カビ病が二次感染するという仕組みです。

水カビ病の症状

水カビ病の症状は非常に単純明快です。

グッピーが外傷を負っている部分に白くふわふわとした綿のようなものが付着します。

 

また、水カビ病は原則他の個体には感染しません。

しかし、水槽内の水カビが増殖することで、外傷のあるグッピーへの感染リスクは高まる可能性があります。

水カビ病の治療法

水カビ病は一般的な細菌感染症と違い、致死性は低いです。

水カビ病がエラなどに干渉した場合は致命傷になりえる場合もありますが、水カビ病自体がグッピーを瀕死にしてしまうことはあまりありません。

 

まず、水カビ病が他の細菌感染症による二次感染の場合、原因となった細菌感染症の治療を優先して行いましょう。

大抵の場合、細菌感染症の薬は水カビ病にも効果がありますので、並行して治療を行うことが可能です。

 

物理的な外傷による感染であれば治療は難しくありません。

この場合は濾過バクテリアを守る為、発症したグッピーだけを隔離して治療するのがおすすめです。

治療法については以下で解説していきます。

・塩水浴

塩水浴はグッピーの浸透圧調整にかかる負担を軽減する事が目的です。

塩水浴は濾過バクテリア水草にダメージを与えますので、レイアウトされた環境では躊躇されるかもしれません。

 

もし水カビ病のみの発症であれば、隔離して塩水浴を行う事でメインの水槽にダメージを影響を与えず、より早期の完治が見込めます。

 

塩水浴を行う場合、基本的には0.5%の濃度になるように塩を入れます。

塩水に弱い魚種がいたり、濾過を懸念するのであれば0.2~0.3%などの薄い濃度でも構いません。

・薬浴

水カビ病のみの発症であれば、メチレンブルーで完治が望めます。

メチレンブルーは比較的薬効も強くなく、グッピーにとって安全な薬です。

水カビ病だけの発症であれば、メチレンブルーで規定量の薬浴を行いましょう。

 

水カビ病に加えて尾腐れ病などのカラムナリス感染症を引き起こしている場合、メチレンブルーでは治せない可能性が高いです。

前述の通り、薬効がそこまで強くないからですね。

水カビ病以外の細菌感染症を併発している場合、グリーンfゴールド顆粒を用いて並行治療を行います。

グリーンfゴールド顆粒は薬効が強く、グッピーが発症する大半の病気に効果がある薬です。

薬効の強さから魚にも負担が大きいため、規定量は守るようにしてください。

 

また、複数の細菌感染症を引き起こしている場合はグッピーに大きな負担がかかっていますので、塩水浴と合わせて規定量の薬浴を行う事をおすすめします。

まとめ

リボンの腹びれは突かれやすい為、要注意

水カビ病は尾腐れ病から二次感染を起こしやすい病気です。

本来であれば、水カビを併発する前の早期治療がベストです。

 

また、魚が外傷を負ってしまっても、清潔な水で飼育できれば水カビ病に感染するリスクを抑えることが出来ます。

 

他の細菌感染症に罹らない為にも、普段の水換えをサボらず、水質の維持を徹底するように心がけましょう。