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ハイターを用いた水槽のリセット方法

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ハイターを用いた水槽のリセット方法

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今回はハイターを使用した水槽のリセット方法を紹介します。

私が日常的に行っている作業も実際の写真と合わせて説明しますので、参考にしていただければと思います。

1~5項までは前知識となりますので、リセット手順については下記目次から6項へ飛んでください。

1.水槽のリセットとは

水槽のリセットには2種の意味合いがあります。

主に水草水槽などで使われる広義の「リセット」。こちらはレイアウトやコケ汚れなど表面的にリセットするという意味合いを持ちます。基盤となる濾過状態などは保持したまま、景観の作り直しなどを目的に行われます。

そして、狭義の「リセット」。こちらは汚れだけでなくバクテリアなども殺菌し、全ての環境を新品同等の状態にリセットするという意味合いで使われます。

例えるなら、リフォームと建て直し程度の違いを持ち、本記事での「リセット」は後者を指します。

2.水槽をリセットする意味

水槽をリセットする最大の目的は病原菌や有害生物の殺菌・駆除です。

細菌感染症の蔓延や繁殖力の高い有害生物は換水や水洗いで除去することが困難であり、新しく魚を導入したり環境を作り直しても再発の可能性が拭えません。

つまり水槽をリセットする意義は環境の初期化にあり、汚れの除去などはあくまで副次的なものです。

 

3.水槽をリセットするタイミングと頻度

清掃目的であれば取り除けない汚れが溜まってきた時期がリセットのタイミングですが、殺菌を目的とするリセットでは手が施せなくなった時期がリセットのタイミングとなります。その為、頻度というものはなく定期的に行う作業ではありません。

 

私の場合は定期的に海外から魚の輸入を行っていたので、それらが水槽からいなくなった段階でリセットを行い、次の輸入の準備を行っていました。

病気の発生の有無に関わらずリスクマネジメント的な観点ですが、当サイトで扱うグッピーに対しては他所から来た魚と混ぜない&独立した環境で飼育することを推奨しています。

4.水槽をリセットする際の生体の扱いについて

魚が調子を崩している場合は、リセットではなく投薬などで治療を行いましょう。

魚が細菌感染症を引き起こしている場合、魚からの菌が水槽に蔓延してしまうだけで改善は期待できません。

不調の原因がPHや汚れの蓄積などにある場合も、濾過が効かなくなるリセットではなく丸洗いで対処すべきです。

このケースでは治療に失敗し、全滅した場合がリセットのタイミングになります。

 

有害生物の発生などリセットの目的が魚以外である場合は、プラケースやバケツにカルキを抜いた水を用意し一時退避させてください。

PHにシビアな魚種であればなるべく水質調整を行い、可能であればエアレーションをオススメします。

隔離期間が長くなるようであれば、水が濁ってきたり生臭くなった時点で直ぐに換水を行ってください。

また、前日から絶食を行うことで無濾過での水質維持が容易になります。

5.水槽のリセットに使われるハイターについて

リセットには主にハイターが用いられますが、ハイターの主成分である次亜塩素酸ナトリウム」は生体に対して猛毒であり、使用には注意が必要です。

また、キッチンハイターなどに含まれる「界面活性剤」は魚のエラに付着し呼吸を阻害します。その為、ハイターを購入する際は界面活性剤が含まれていないことを必ず確認して購入しましょう。

ここでは私が器具や水槽の消毒で常用している界面活性剤が含まれないハイターを紹介します。コロナの影響か去年から売り切れ傾向にあるのでご注意ください…。

私が常用している業務用の5Lサイズで、コスパに優れガンガン使えます。

家事もする方はこのサイズを購入しても困ることはないかと思います。

これまで17回購入しているのでアクアリウム用途で使えることは私が保証します。

上記の2.5Lサイズです。ライトユーザーはこちらのサイズでも汎用的に使えるかと思います。5Lタイプを使うまではこちらを使用していました。
最後に小型の600mlサイズ。これらは全て同じシリーズなので中身は同じです。
水槽を消毒する場合は一定量使いますが、600mlでも5回以上は使えます。今回限りという方はこのサイズで事足りるのではないかと思います。

6.ハイターによる水槽のリセット手順

ここからは実際のリセット手順から再立ち上げまでを説明していきます。

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今回はこちらのベアタンク水槽をリセットします。

水槽は漬け置きで消毒するので、水が漏れても良い洗面台やふろ場、ベランダ等をオススメします。(要換気)

砂利を使用している水槽をリセットする場合、使いまわさずに廃棄しています。

 6.1器具の用意

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消毒器具にハイターと熱湯(耐熱容器)を用意してください。

熱湯はスポンジの消毒に使用します。スポンジはハイターを使用すると目が潰れる(溶ける)ので注意してください。

お湯を沸かしている間に次の作業に進みます。

6.2水槽と飼育器具をハイターで漬け置く

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分解してスポンジを取り除きます。

蓋にも跳ね返った飼育水が付着していますので、忘れず投入してください。

リセット水槽に使用した網や換水器具がある場合は一緒に投入します。

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ハイターを注いでいきます。

濃度は水槽の容量に対して1%を使用しています。(10L水槽の場合、100ml)

この濃度は確実性と速度重視ですので、30分~1時間も漬ければ充分です。

長く漬けこむ場合は更に薄くても大丈夫ですが、汚れの溶け具合等を見て各自判断してください。不安であれば一晩漬け置きしても問題ありません。

6.3スポンジを熱湯につける
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並行してスポンジを熱湯で漬ける作業を行います。

スポンジは軽く揉み洗いをしておき、金属製のピンセットなどで熱湯を吸わせます。

水槽や器具は破損、溶けますので熱湯に漬けないでください。

6.4ハイターを洗い流す

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暫く漬けおいた後、水を捨てて数回洗い流します。

不安な方は水を張り直した水槽にカルキ抜きを入れ、確実に中和させてください。

6.5スポンジを冷水で洗い流す
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スポンジを冷水で洗い流し、揉み洗いをします。

スポンジは熱湯を含んでいて中々熱が取れないので、やはりピンセットなどで押し込み、冷水を吸わせるのが安全です。

熱が取れたら揉み洗いをします。汚れだけでなくバクテリアの死骸などが濁りとして出ますので、可能な限り汚れを取り除いてください。

6.6水槽をセットする

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リセットされた水槽に水を張り、新規でセットします。

リセットした水槽の場合、濾過が出来ていないだけでなくスポンジからの汚れが溶けだす形になりますので、即日で生体を入れることはおすすめしません。

6.7水が落ち着くまで空回しする
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左がセット直後、右が数時間後です。
上記の通り、スポンジからの汚れが濁りとして出てきます。

濁りが出ている間は水換えをしても無駄です。

寧ろ、この汚れ(有機物)を基盤に新しく濾過が立ち上がりますので手を加えないでください。

即日立ち上げたい方はこのタイミングでバクテリア材を使用しても良いと思います。(立ち上がりの速度が早くなります)

普段バクテリア材は一切使わないのですが、コンテストの景品でこちらのバクテリア材を貰ったので使用したところ、立ち上がりで使うには良い使用感でした。
6.8新規水槽として立ち上げる
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左が3日後、右が5日後。

3日後のように濁りが取れ、水がこなれた感じになったら準備完了です。

このタイミングで全換水を行います。

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今回は稚魚を放流しました。

立ち上げ直後は濾過のキャパシティが小さいので、餌は控えめにして立ち上がりに応じて徐々に増やすようにしてください。

7.まとめ

今回は水槽のリセット方法を紹介しました。

当記事がリセットの意義や方法の理解に繋がりましたら幸いです。

ハイターは危険ですので、換気や目の保護などくれぐれも安全に配慮して行ってください。

当サイトでは主にグッピーのブリード記事について書いております。

興味がありましたら、読んでいただけましたら幸いです。