今回はCOMETから発売されている”テトラ・グッピー”という飼料をインプレしていきます。
全く同じ名前でも顆粒とフレークタイプの2種類がありますが、今回は紹介するのは顆粒タイプ。
数年前にフレークタイプはちょろっと紹介したことがありますが、顆粒タイプは私自身初めて使うので楽しみですね。
さっそく試していきましょう!
パッケージと中身をチェック!
発売元はイトスイ。
ペット用品全般を手掛けるメーカーさんですね。
私の認識だと飼料に関しては独自性のある製品が多く、コスパも良い印象があります。
原料のバリエーションが豊富
栄養価は「タンパク質50%、脂質7%、粗繊維3%、水分11%、灰分15%」となっています。
前回紹介した”ひかりクレストグッピー”より脂質が1%低いですが、栄養価について尖った点は見当たりません。
このエサが異質な点は別にあります。
欲しい要素全取りか!?
原材料の幅が非常に広く、バフ全盛りって感じですね。
飼料のベースにはフィッシュ&エビミールに加えてイカミールの3種が使用。
更にニンニク+海藻で嗜好性の増強と植物性原料もしっかり含有。
ここまでは以前の”ひかりクレストグッピー”と同等ですが、加えて善玉菌(納豆菌・乳酸菌・酵母菌)も添加されています。
表記だけ見ると、必要な要素が全部含まれており、かつコスパも抜群と来ました。
しかし、これでは明らかに都合が良すぎる感じもしますので、過信は禁物という事で実際に試していきましょう。
飼料のファーストインプレッション
鮮度保持のアルミシートを剥がすと飼料のお出ましです。
乾燥材と浅いタイプの給餌スプーンが入っていました。
入っているだけでもありがたいですが、個人的には丸型で深いタイプの方が好きですね。
ジャンキーな匂い
開けた途端、異様な匂いが鼻を突きました。
これは…恐らくニンニクの匂いですね。
少しビタミン臭もありますが、コンソメ的な系統の匂いです。
ここまでキツイ匂いは始めてですね…何回も嗅いでいたら匂いで酔ってきちゃいました。
ここまで匂いが強いと、嗜好性にも期待できるかもしれません。
微顆粒のホロホロ系
”グッピー・テトラ”は顆粒との表記でしたが、かなり細く粉末に近しい微顆粒です。
私が知っている顆粒フードの中でもこの細かさは5本の指に入るかな。
産まれて少し経った稚魚でも食べられそうなサイズで、汎用性は高そうです。
実際に給餌してみた
”テトラ・グッピー顆粒”は一般的な飼料とは雰囲気が違う感じ。
使用感が気になるのでさっそく給餌していきます!
成魚への使用感
手始めに作出中のRREAラズリーネオンタキシードに与えます。
ノーマルとRREAが混在しているので、小手調べには丁度良いでしょう。
いつもの感覚でさっとあげちゃいましたが、これはミスったかも。
微顆粒なので水面にわ~っと広がってしまい、浮遊性も低く一気に沈んでいきます。
とはいえ、これくらいは完食してほしい所!
うーん…。
表層で食い損ねたRREAの個体はまだ啄んでいますが、ノーマルの個体は飽きちゃってますね。
ドバあげ適正はなし
系統によって食いつきや好みもありますので、ドイツの育成水槽にも与えてみました。
が、やはり底に沈んでしまうと食わない。
微顆粒故に食い残しも出やすいので、これはいただけないですね。
入れた直後は「エサきたー!」みたいな感じで活性が上がりますが、冷めるまでが早いです(^^;;
お次はラズリーブルーグラスの種親育成水槽に与えました。
しかし、食べない!w
成魚にドバッと与えるような給餌には全く不向きそうですね。
若魚への使用感
この感じはまずいぞって事で、食い気のある若魚に試してみました。
まずはトパーズリボンの若魚水槽。
しかし、沈んでしまうとやはり食べない。
想定外の食べなさだったので、半日ほど絶食させてから与えてみました。
ところがやはり、給餌直後は確かに盛り上がるのですが、直ぐに食い飽きてしまいますね。
餌自体の嗜好性が低い
ここで1つ気づいたことがあります。
給餌直後に活性が上がるのは、恐らくニンニクによる集魚効果の影響です。
しかし、餌自体の嗜好性がかなり低いんですよね。
嗜好性の低さがニンニクでカバーされているようなイメージです。
だから匂いで活性が上がっても直ぐに飽きられてしまう。
エサが浮上している間は口を使いますが、それでも嗜好性が高いわけではないです。
幼魚への使用感
微顆粒なので、生後半月くらいの稚魚から与えることができます。
このサイズに対しても嗜好性が高いとは言えませんが、カバー範囲自体はかなり広いと言えるでしょう。
初産前サイズの幼若魚にも与えてみました。
下に食べ残しがあるにも関わらず、追加の餌をねだってきます。
(手前下にいるのは種親)
まぁ〜…月齢問わず結果は同じですね。沈下すると全然食べないです。
翌日から良さに気づく
次の日、食べ残しのカビまみれで水換えになるだろうな〜と覚悟していましたが、杞憂に終わりました。
その後は一切給餌を行わなかったので、大半の水槽ではなんとか完食してくれたようです。
また、糞が全然落ちてないことに気づきました。
こちらは残念ながら食べ残しが出てしまった水槽。
しかし、水カビは発生せずに分解されていっている感じです。
これは…生菌剤の効果!
消化吸収や分解力に長けているようですね。
また、もう1つ感じた恩恵があります。
「グッピーのコンディションが向上している!」
水換え後のように透明感もあり、ビュンビュン泳ぎまくっています。
グッピーの体調を整えたり、整腸作用も期待できそうですね。
ここまで使ってみて理解しました、これはブリード用にドバドバ与えるようなエサではありません。
察するに水質維持を重視しつつ、健康にグッピーを飼育するためのエサなのでしょう。
そもそも、パッケージを見ると総合栄養飼料と書いてありますしね。
全員が全員、ブリード目的で飼育しているわけではない事を失念していました…。
また、肝心の嗜好性については毎日与えているうちに徐々に食べてくれるようになりました。
競争の原理を活かして少量ずる給餌していけば、カバーは効くレベルです。
グッピー・テトラ顆粒の評価
最後に"グッピー・テトラ顆粒"の評価をまとめます。
コスパ:★★★★☆
"グッピー・テトラ顆粒"は現在のAmazon価格で約550円。
g単価は約8円弱といった感じです。。
アクアリウム用の飼料として考えると、コスパは良い部類ですね。
嗜好性:★★☆☆☆
反応の初速だけは良いですが、嗜好性自体は低いです。
沈下してしまうと反応が極端に悪くなるので、極小量ずつ与えるような使い方が良いでしょう。
正直、ブリード目的には向いていません。
水槽数が多くて、パッパと与えていくような給餌方法にも不向きですね。
栄養価:★★★☆☆
栄養価について特筆すべき点はありません。
しかし原材料の幅が広く、植物性原料、生菌、ビタミンミネラルと豊富に含まれておりますので、健康面に関してはバッチリです。
これ1本で栄養が偏ることはまずないと思いますし、与えられる月齢サイズが広いので汎用性もあります。
ブリード用の飼料は健康面が疎かになりがちなので、補助的な使い方に良さそうですね。
水の汚れにくさ:★★★★☆
顆粒系の飼料にしては水質維持に長けています。
糞が少ないということは消化吸収にも長けているということ。
しかし、そもそもの嗜好性が低くて食べ残しが出やすいというのは本末転倒な気もします…。
沈みにくさ:★★☆☆☆
そこそこ沈みやすいタイプです。
沈んでしまうと嗜好性がガタ落ちするので、エアレーションなどで水面を強く攪拌している水槽とは相性が悪いかもしれません。
汎用性:★★★★☆
粉末餌の二歩手前くらいの細かさ。
理論上は細かいほど粒が多くなりますので、グッピーが口を使わないといけない回数は多いです。
それ故に、ちまちま与えないと簡単に残餌が発生しますので、給餌は小量ずつを遵守してください。
食べ残しは分解されやすいですが、極端にどば上げ適性がないので注意が必要です。
粒の柔らかさ:★★★☆☆
少なくとも柔らかいという事はないですね。
潰せない程硬いわけでもないですが、元が細かいので潰して使うには不向きです。
生後半月までの稚魚には別途初期試料を推奨します。
まとめ
総括すると”グッピー・テトラ顆粒”は健康面重視の飼料。
ブリード目的でのメイン飼料としてはマッチしないと感じました。
栄養価も高いわけではないので、あくまで補助的な使い方になるでしょう。
適性を考えると少量給餌で魚の健康を維持したり、レイアウト水槽に対して極力水質を汚さない飼育に向いているかと思います。
全く使えないレベルではないので、飼育スタイルに合っているなら検討の余地はありますね。
コメットは他メーカーにはないコンセプトの飼料が沢山ありますので、今後はそちらも試してレビューを充実させていきたいと思います。