インプレ記事も多少書き慣れてきたでしょうか。
さてさて、今回はオクトジャパンから発売されている、"オクトグッピー"のインプレッションをしていきます!
オクトジャパンは鑑賞魚飼料をメインに製造しているメーカーさん。
「オクトゼニスプロシリーズ」というカテゴリーで様々な観賞魚の飼料を販売されていて、"オクトグッピー"もその1種類ということですね。
グッピー専用を謳う顆粒飼料は意外と少ないので、期待しながら使っていきたいと思います。
パッケージと中身をチェック
縦長のパッケージなので見にくいかもしれませんが、表面はこんな感じ。
書いてある事はおおよそ見慣れたキャッチフレーズではありますが、気になるのは連続撹拌造形技術による顆粒の成型精度ですね。
「表記通りのソフト感があるのか?」「粒が均等に作られているのか?」チェックポイントとして覚えておきたいと思います。
増体に適したハイカロリー飼料
パッケージが縦長なので要点だけアップしました。
栄養価は「タンパク質53%、脂質12%、粗繊維3%、灰分15%、カルシウム2%、リン1.5%」となっています。
私は飼料によってカルシウム剤を添加する事があるので、カルシウムの割合表記があるのは有り難いですね。
栄養価については、典型的なハイカロリー飼料といった感じ。
増体のみを目的とした場合、私の中では「タンパク質50%以上、脂質8%以上」が一定の基準となっています。
カロリーが高ければ高いほど良いというわけではありませんが、これを超えるならば育成用のメイン飼料としては充分適性があると言えるでしょう。
"オクトグッピー"はこの基準を大きく上回る、「タンパク質53%と脂質12%」。
鑑賞魚用飼料としては勿論、これは水産飼料を含めてもだいぶハイカロリーに位置する飼料です。
消化吸収を増進する生菌や酵素が入っている事も踏まえると、魚を大きく太らせるという観点においてはかなり期待が持てそうですね。
ヘマトコッカス藻ってなんぞや?
原材料を見ていると、聞き慣れない単語が出てきました。
「ヘマトコッカス藻(´・_・`)?」
調べてみるとこのヘマトコッカス藻、ストレス刺激によってアスタキサンチンを合成・蓄積出来るそうな。
なるほどなるほど。
それを踏まえると、植物質の栄養素を補給するというよりかは、色揚げ的な意味合いを持つ原料と推測できますね。
ハイカロリーだけでなく、細部まで拘りが感じられます。
伊達にグッピー専用を名乗っているわけではないということですか…。
内容量は2種
オクトグッピーは15gと50gの2種類のパッケージで販売されています。
15gは水槽数が少ない人も使いやすい、絶妙な内容量ですね。
お試しで使用感を確かめるにも丁度良いかなと思います。
コスパに関しては50gの方が安上がりですので、水槽が複数ある人はこちらがメイン。
個人的にはもう少し流通量を安定させていただきたい所ですね…。
飼料のファーストインプレッション
中身を開けて確認していきます。
個人的に気になったのは、アルミ蒸着袋じゃない事に加え、脱酸素剤や乾燥剤が入っていなかった事。
鮮度保持の観点ではかなり不安なので、開封したら早めに使い切ったほうが良さそうですね。
パッケージが縦長すぎて取り出しづらい点も個人的にはいただけません。
粒揃いでソフトな柔らかさ
粒は少し大きめで、大きさも均一。
キャッチ通りのソフト感があるのか、潰して確認したいと思います。
ここまでインプレしてきた飼料は硬いものが多かったですからね…ぼちぼち柔らかい飼料も使いたい所です。
潰してみるとこんな感じ。
力を入れると容易く粉々になります。
相反する感触と言いますか、例えるなら軽石みたいなイメージでしょうか。
触った感じはカッチリしているのに、実際は脆く柔らかいです。
これは飼料的な観点で見ると、凄く良いですね。
比重が軽いので浮上性も高そうですし、消化吸収も良さそう。
すり潰して稚魚に与えることも容易いと思います。
匂いは良くあるやつ
"オクトグッピー"の匂いは、熱帯魚飼料に少しエビっ気を混ぜた風味。
水産飼料程ではないにせよ、如何にも育成飼料って感じの匂いですね。
実際に給餌してみた
ここからは実際に給餌して使用感を確かめていきます。
"オクトグッピー"は典型的なハイカロリー飼料なので、育成のメイン用途を想定。
ドバあげ適性や水の汚れ具合、粒が大きめなので給餌可能なサイズなどを確認していきたいと思います。
幼若魚への使用感
まずは給餌可能サイズを確かめる為、表現が出てきたばかりの幼若魚へ与えてみます。
想像通り、浮上性がかなり高いですね。
全然沈みません。
グッピーの反応もなかなか良い。
浮上性が高いおかげで、グッピーの興味を引ける時間も長いです。
しかし、やはり粒が少し大きいか…。
オスは若干食いあぐねている感じがありますね。
この感じだと給餌可能サイズはせいぜい2ヶ月半。
安牌を取るなら3ヶ月以降になりますかねぇ…。
若魚への使用感
お次は3.5ヶ月の個体に給餌してみます。
ラズリーブルーテール×トパーズからF2の個体で、ぼちぼち初産くらいのサイズ感です。
正直な所、このサイズでもオスは食べにくそう…。
高嗜好・高浮上・ソフト・ハイカロリーと高い水準で評価できる良飼料ですが、この「粒の大きさ」だけがネックですね。
せっかく育成に適した飼料なのに、1番大量給餌したいサイズに使いづらいのは悲しいかな。
成魚への使用感
お次はメタルブラックテールリボンに大量給餌してみます。
成魚…とは言っても4ヶ月半の育成サイズです。
”ひかりクレストグッピー”で検証した水槽と同じですね。
とりあえずスプーン1杯巻いてみます。
少し粉っぽい感じもありますが、前回インプレした「TREBIOグッピー・カラシン」よりは幾分マシですね。
浮上性に関しては非常に高く評価できます。
私が今まで使ってきた顆粒飼料の中では、トップクラスですね。
エアレーションや水流が当たらない限り、延々と浮いている粒も多いです。
グッピーの反応も良好です。
少なくとも浮いている間の嗜好性に関しては一切の文句なし。
一向に沈みませんが、沈下後の嗜好性も確かめたかったので、敢えて手でじゃばじゃばして沈めました。
沈下後にも関わらず、オスの反応が良い!
だいたい完食しました。(手前に落ちているのは糞です)
水の汚れに関してはとなりの水槽と比較するとこんな感じ。
それなりの濁りはやはり出ますね。
ガンガン与えるならば、じゃんじゃん水換えするようなブリードスタイルがおすすめ。
種親への使用感
最後は種親個体に与えてみます。
こちらはRREAギャラクシーレッドテール×RREAフルレッドメガドーサルリボンメスの交配水槽です。
成魚以降のオスにはカロリー過多ですが、種親メスを太らせるという用途には抜群。
産仔後の回復にも良いですし、産仔数を増やす効果が高そうです。
腹パン!
これくらいの密度で与える分には水の汚れも気になりません。
オクトグッピーの評価
最後に"オクトグッピー"の評価をまとめます。
コスパ:★★☆☆☆
”オクトグッピー”は500~700円前後。
流通量がイマイチ安定していないので、価格はまちまちですね。
g単価に換算すると、10~14円程度になります。
平均~やや高めくらいかな。工夫してなるべく安く買いたい所です。
嗜好性:★★★★☆
嗜好性に関しては抜群ですね。
1粒が大きいのでバクバク食べていく感じではありませんが、食いが持続します。
栄養価:★★★★★
栄養価の高さについては最高クラス!
グッピーの育成用途としては申し分ないですね。
しかし、こういったハイカロリー飼料ばかり与えていると健康面が心配です。
若魚のうちはドカドカ与えても問題ないですが、成魚以降のグッピーには明らかにカロリー過多なので、サブ飼料があると良いでしょう。
植物性原料を含んだヘルシー系飼料をローテーションに組み込んで与えると、良い結果に繋がりやすいと思います。
水の汚れにくさ:★★☆☆☆
水は汚しやすいものの、ハイカロリー飼料としてはマシな部類。
嗜好性が高いゆえに沢山与えてしまいがちなので、水質維持には気を付けましょう。
立ち上げ直後の水槽に与えると危険なので、濾過が立ち上がった水槽であることがこの飼料を与える最低条件です。
汎用性:★★☆☆☆
粒のサイズはかなり大きめ。
ここが最大のウィークポイントですね。
ハイカロリーなので、生後3~6か月前後のメイン飼料として与えるのが良いと思います。
成魚以降も与え続けるなら別途サブ飼料との併用を推奨。
粒の柔らかさ:★★★★☆
外側だけかっちりしていながらも中はソフトで、独自の強みがあります。
柔らかいメリットである浮上性の高さや消化吸収の良さは勿論の事、デメリットである粒の脆さも感じさせません。
連続撹拌造形技術恐るべし。
まとめ
”オクトグッピー”を一言で表すなら、使用感がマイルドなハイカロリー飼料。
この手の飼料にしては使用感のクセが少ないので、比較的扱いやすいと思います。
若魚~成魚までのメイン飼料としてはかなり心強い飼料。
栄養価の高さも強烈なので、想像以上の増体効果が期待できそうです。
ハイカロリー飼料に興味のある方や、ブリードに力を入れたい方には最適なので入門として是非試してみてください。