メタルブラックレース@分離と尾びれの付き方
グッピーでは尾びれが出来やすい因子、出来にくい因子があると思います。
広く知られているものですと、メタル(出来やすい)やサンセット(出来にくい)などなど…。
今回は、メタルブラックレースから分離した個体によって尾の形成に大きく差が見られたので掲載していきます。
品種の紹介をすっ飛ばして申し訳ないのですがご容赦ください。
品種の概要
前知識として流す程度に…。
メタルブラックレースは表現的には頭部にメタル、ボディにレース模様、尾の色は薄い黒で、個体や系統差でレース柄が入ります。
遺伝的な構成はYメタルXフルブラックだと思っています。+フルブラック系が常にもっているアレ。
私が所持しているものは尾のベースがソリッドタイプですので、こちらを前提に話を進めていきます。
本品種の尾びれは比較的作りやすいと体感しています。
個体によっては若干尾びれの真ん中が欠損しますが、微々たるものでじっくり見ない限りは認識できない程度です。
次の項では本品種から派生した3個体を順に掲載するので是非比較してみてください。
①コブラ抜け?
まずはフルブラックのような個体から。所謂コブラ抜けのフルメタルになった個体ではないかと思われます。
今回載せる個体はピーク時に撮影したので差が伝わりにくいですが、若魚の時点で明らかに尾びれの伸びが良かったです。比較すると尾開きも極端に良く巻いています。
勿論、母数が極端に少ないので個体差の可能性も考慮しなければなりませんが、メタルブラックレースではここまで尾が開ききってしまう個体は出たことがないです。
フルブラック自体も尾が開きやすい品種であることを考えると、まぐれではないと思います。
②メタル抜け?その1
お次はこちら。
先ほどとは逆に頭部のメタルが抜けてしまっています。
冒頭で触れたように尾が少し中落ちしていますが、特に尾の差異は感じませんでした。
これでボディにレース模様が入れば綺麗なのですが、元々レース模様を完璧に入れることが困難な品種なので、現実的ではないでしょう。
ボディパターンが違いますが、最近ではそのような品種も流通していますね。
③メタル抜け?その2
先ほどの個体とはうって変わって悲惨な尾びれになってしまいました。
こんな尾びれは今まで出たことがありません。
しかし、品種として確立された類似品種ではこのように小さい尾びれであることが多いように見受けられますので、個体の下振れではなく必然なのかもしれません。(品種名はハウスネームに近い為伏せますので、心当たりがある方は各々が検索して比較してください)
②の個体では何故無影響だったのか気になりますね。
まとめ
今回掲載した個体では…
コブラ抜け→尾が開く
メタル抜け→影響なし
メタル抜け→尾が開かない&伸びない&整わない
といった結果になりました。
コブラ抜けで尾が開いたのは、コブラが抑制する方向に働いていたからでしょうか?
だらしないファンテールになっても良くないので決してマイナス要素ではないです。
正直、確信的な考察は思いつきませんでしたが、フルブラックの尾が開きやすいのは事実なので何かがあるのでしょうね。
メタル抜けで尾が崩壊したのは、やはりメタルは尾を形成しやすいということと、そもそもレースコブラ自体が尾を形成しにくいからではないかと考えました。
そして、なぜ同じメタル抜けでここまで差異が生じたのか…。
それは尾びれにレース柄を表現しようとしたか否かではないかと私の考察を残しておきます。影響がなかった個体はソリッドタイプの尾びれです。
レース模様と尾の形成が若干トレードオフの関係になっているのではないでしょうか?
本来レースコブラは少し尾びれを作りにくいですが、本品種のソリッド表現ではレース特有の影響は少ないです。
ソリッド品種とレース品種、1つの品種でも表現によって二面性を持っていてもおかしくはないと思います。
以上が私の考察です。あくまで”私の考え”なのでご注意ください。
累代して似た個体が出てきたら、より確実性のある比較ができますが運次第ですね。
雌と掛ければ増やすこと自体はできますが、わざわざ水槽を割いてまで累代する余裕がなく、魅力も感じませんでした。
以上、改良の参考になれば幸いです。