水槽の数が増えてくると、バケツリレーでの給水はなかなか辛いもの…。
そこで便利なのが蛇口にホースを取り付けての直接給水。時間のかかる給水作業を大幅に効率化することができます。
しかし、私のブリードハウスは自在水栓と呼ばれる特殊形状の蛇口だった為、通常の蛇口ニップルを買っても上手く取り付かずに失敗してしまいました。
そこで今回は失敗経験を踏まえて、自在水栓にホースをつける方法を紹介したいと思います。
私が確認している限りでは2種類ありますので、双方の特徴やメリット・デメリット、比較等をしながら解説していきますね。
自在水栓とは
簡単な前置きになりますが、自在水栓とは横方向に長い形の蛇口。
一般的な蛇口よりも径が細く、排水部分の軸が短いです。
通常の蛇口と違い、角度を変えずに水平移動ができる特徴がありますね。
主にシンクやキッチンなどで使われるタイプの蛇口です。
自在水栓の蛇口ニップルで買ってはいけないモノ
蛇口ニップルとはホースを取り付けるジョイントの事。
自在水栓の場合、一般的な蛇口ニップルの多くを取り付けることができません。
何故かというと、自在水栓は先に挙げた2つの特徴を持っているからです。
1.普通の蛇口よりも径が細い
2.先が極端なL字になっている
この特徴からまず一般的な蛇口ニップルが取り付けられない事はお分かりいただけるかと思います。
外径が細い為、取り付けてもガバガバになってしまうというわけですね。
そして、一番気をつけなければならないのがネジなどを使わないタイプの蛇口ニップルです。
大手メーカーのTakagiではラクロック蛇口アダプターと呼ばれる商品ですね。
この商品、ホームセンターの売り場などでめちゃめちゃ推されていますし、いかにも便利そうなのでつい買いたくなってしまいますがダメです。
残念ながら自在水栓にはつきません!
私は1回爆死しているので、くれぐれも注意してくださいね。
また、形状的に強い圧をかけるような使い方にはそもそも向いていないようにも思えます。
自在水栓の蛇口にホースを取り付ける方法
ここからは自在水栓にホースを取り付ける方法、つまり適合する蛇口ニップルを紹介していきます。
1.バンド付蛇口ニップル
1つめは同じくTakagiから出ている「首ふり蛇口に繋ぐ」バンド付蛇口ニップルです。
ネジで固定する蛇口ニップルと違い、ゴムバンドで締め付けて固定するタイプの蛇口ニップルです。
このニップルの特徴は以下の通り。
付け外しが簡単
蛇口に傷がつかない
差し込んでからネジを巻き巻きするだけで取り付け完了という楽さ。逆も然りです。
ネジが閉まってくると若干硬くなってきますが、成人男性なら問題なく取り付けられるレベルです。
また、ネジで固定するタイプと違い、ゴムバンドで締め付けるだけなので蛇口に傷がつきません。
借り物だったり、外した際の見栄えを気にする場合には嬉しい要素といえます。
私はこの蛇口ニップル、3つも買いました!!!
…3つ買ったという事は、つまり2回壊れているという事…。
というわけで、この蛇口ニップルのウィークポイントは以下の通りです。
強い水圧で壊れやすい
この蛇口ニップルはゴムとプラ部分がスクリューで固定されているので、通常使用で外れることはありません。
しかし、あまりに強い水圧が掛かるとこの部分が破断して「バコッ!」と凄い勢いでバラバラになります。
一度外れてしまうとゴム側が伸びてしまうのか、どんどんガバガバになっていき、弱い水圧でも外れるようになってしまいました。
つまり、一度でも強水圧で外れてしまったら、蛇口ニップルとしてはもう使うことができません。
耐久性に難ありというのが、この蛇口ニップルの弱点ですね。
あまり圧をかけない使い方なら大丈夫だと思いますが、蛇口全開で散水ホースを使うような場合はダメかなという結論です。
ただ、2年間の保証が付いてきますので、明細を残しておけば不良の際は交換もできますし、蛇口を空けすぎないライトな使い方であれば全く問題ないと思います。
水換えの場合は、どうしても時短で流量を多くしたくなりますからね…。
2.ラクロック・ラクネジ
正式名称は分かりませんでしたが、ネジ1つで止めるタイプの蛇口ニップルです。
同じくTakagiから出ている商品ですね。
その為、自在水栓にも問題なく取り付けることができます。
この蛇口ニップルの特徴は以下の通り。
取り外しが楽
強水圧でも外れない
先ほどのバンドニップルも取り付けが簡単とは言いましたが、それ以上に簡単です。
締め付けにそこまで力もいらないので、楽と表現した方が正確ですね。
また、ネジで固定することもあってか、強水圧でも外れることはありません。
ゴムなどを使わないシンプル構造なので、勿論バラバラに破断したりもしないです。
個人的に自在水栓にはこれがベストだと思っておりますが、デメリットも存在します。
蛇口に傷がつく
排水の勢いが増す&排水に角度がつく
これは裏側からネジ傷を撮った写真です。
正直、このタイプで傷がつくのは致し方ないこと。
ゴムバンドタイプでも結局は水垢汚れがつくので、私はそこまで気にしていません。
ただ、唯一無視できない点は、蛇口の水に勢いと角度がつくことです。
ニップルの径が細い分、水が勢いよく出てしまい、ホースをつけない状態での使用で水が飛び散りやすくなってしまいます。
例えば、バケツに水を張ろうと蛇口を全開にすれば、水がバチャバチャ暴れて周囲は水浸しです。
ちょっとケースを洗うときなんかでも水撥ねが気になりますね。
私は屋内での使用故に水の飛び散りが気になってしまうので、ホースを付けない時は排水量を落として使用するようにしています。
また、自在水栓とゴムバンドのニップルは水がほぼ真下に落ちるのですが、この蛇口ニップルをつけると若干角度がついて斜めに水が落ちるようになります。(排水の勢いを強めるほど顕著)
これもシンクの手前に水が当たって余計飛び散ってしまうので、マイナス要素の1つです。
結局の所は双方に利点と欠点があるということですね。
まとめ
2種類の蛇口ニップルを紹介しましたがそれぞれの特徴を再掲しておきます。
ゴムバンドタイプのニップル
取り付けが簡単
蛇口に傷がつかない
強水圧をかけると壊れやすい
→圧をあまりかけない使い方にオススメ
→屋内向き
ネジ固定タイプのニップル
取り付けが更に簡単
強水圧でも壊れない
蛇口に傷がつく
ホース非接続時の勢いが増す
→散水など、強い圧をかける使い方にオススメ
→屋外向き
私の個人的な結論としては、水換え用途ならネジ固定タイプのニップルがオススメです。
実際バンドタイプはワンシーズンで壊れてしまい、2つ目に関しては1週間と持ちませんでした。
少なくとも屋外でホースを使うのであれば、ネジ固定タイプ一択だと私は思います。
双方の特徴を加味した上で、自分の使い方ではどちらが適しているのか決めてみてくださいね。
ちなみに接続するホースリールに関して、私はTakagiオーロラnano10mを使用しています。
安価で小型、屋内でも嵩張らず使いやすいです。
裏ワザとして、口の部分のカバーを外すと水が勢いなくぼとぼと落ちるようになります。
このおかげで蛇口からの流量をマックスにしても、水槽に給水した際に水が撥ねず、水流が出来る事もないので魚に対して安全に給水できます。
更に浄水器を噛ませると文句なしですね。
浄水器が無い場合はカルキ抜きを水槽に規定量入れた上での給水で問題ありませんが、あまり良い方法とは言えないのでこの方法は自己責任でお願いいたします。