グッピーコンテスト優勝を目指す男の飼育日記

グッピーjournal

グッピーブリーダーのあれやこれ

【餌】おとひめの栄養成分と成長効果について

【餌】おとひめの栄養成分と実際の効果について

f:id:popopoppun:20210713221353j:image

日清丸紅飼料から発売されている「おとひめ」について紹介します。

本来おとひめは海産養殖魚の稚魚用として用いられる海産種苗用飼料です。

所謂、水産飼料の一種で愛好家も多く、観賞魚用として流用されている中ではメジャーな飼料です。おとひめは日本に留まらず、海外の養殖場でも広く使われています。

今回は5kg程使用した経験も踏まえ、カタログスペックから実際の使用感について触れていきます。

※本記事で記載しているカタログスペックはおとひめB2のデータを参考にしています。

1.おとひめの栄養成分

f:id:popopoppun:20210712222004p:plain

おとひめの栄養成分は粗蛋白50%粗脂肪10%、粗繊維3%、カルシウム2.3%、リン1.5%となっています。脂肪分が多少高い事以外はバランスのとれた数値ですが、水産飼料の中ではカルシウムが比較的高めの設定です。

1.1タンパク質について

f:id:popopoppun:20210714004930j:plain

タンパク質は50%です。

飼料としては標準的な数値ですが、タンパク質50%というのは必要十分な数値だと思います。

人工飼料に切り替わる幼~若魚において、40%代だとバルクアップに不足していると感じますし、成魚からは50%を大きく上回るタンパク質は必要ないと考えています。

そういった意味では50%というのは汎用性に長け、絶妙な数値であると言えます。

ただし、魚の育成は栄養成分の割合よりも給餌量でコントロールすべきなので過信は禁物です。

1.2粗脂肪について

粗脂肪は10%です。おとひめのタンパク質50%脂肪10%は覚えやすいので、飼料のボーダーとして暗記しておくと何かと便利かと思います。

脂が多い養殖真鯛やブリを想像すれば分かる通り、水産飼料は全体的に高脂質な傾向にあります。

粗脂肪10%というのは高めではありますが、一般的な飼育においては問題にならない程度の数値です。

しかし、成魚に大量給餌すると肥満を拗らせる可能性が十分にあるので、成熟した個体に給餌する場合は気を付けるべきでしょう。

1.3粗繊維・粗灰分・カルシウム・リンについて

粗繊維は3%。粗繊維は~%以下という表現をされることからも、飼料としての必要量自体は少ないようです。

様々な飼料と比較して3%は平均的な数値であることが分かりました。

 

粗灰分は16%。粗灰分というのは文字通り、燃やして灰になる割合。即ち無機物(ミネラル)の割合であるようです。

殆どの飼料が15~17%の数値に収まっていることから、こちらも平均的な数値であることが分かりました。

 

カルシウムは2.3%。飼料によって記載されていたりいなかったりしましたが、多くの観賞魚用飼料では2~3%の範疇に収まっていました。

水産飼料では1~2%代が多かったので、おとひめは水産飼料の中だと高めのようです。

 

リンは1.5%。観賞魚用飼料では1%が多かったですが、水産飼料では1.5%表記の銘柄が殆どでした。コケを発生させにくくする為、観賞魚用飼料では割合が少なくなっているのではと考察します。

 

こうして分析してみると、意外にも尖っている部分がない飼料であることが分かりました。ただし、あくまで栄養成分表示の話です。

 

2.おとひめの原材料について

f:id:popopoppun:20210712224807p:plain
おとひめをここまで人気たらしめる要素として、異常なまでの嗜好性の高さがあります。その要因になっているのが、原材料のオキアミミールです。

一度でも使ったことがある方はその強烈なエビ臭を知っているかと思いますが、相当な割合で配合されている事かと思います。

オキアミと言えば釣りにも頻繁に使用され、魚種を選ばないほど嗜好性に優れています。ちなみにオキアミの生息数は多く、供給は安定しているようです。

 

その他の動物質性原料は魚粉・イカミール・ガゼインとなっていますが、成分表示は配合量の多い順に羅列されますので、オキアミミールの配合割合が一番多いのでしょう。

昇順表記通りであれば、飼料は魚粉メインとオキアミミールメインの2種類に区別できそうです。

 

穀類はつなぎ(成形)として使用されています。一部つなぎが使用されない銘柄もありますが、つなぎが使用されているからと言って特に問題はありません。

 

原材料は記載通りですが、おとひめB2の箱より引用すると飼料添加物には以下が含まれます。

各ビタミン、ニコチン酸パントテン酸葉酸、コリン、イノシトール、ビオチン、硫酸鉄、硫酸マンガン硫酸マグネシウムヨウ素酸カルシウム、ペプチド鉄、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、乳酸カルシウム、水酸化アルミニウム、エトキシキン、乳化剤

以上、軽く纏めてみました。まず水産飼料に共通される要素としてコスト面と育成面を重視して作られていると私は感じます。

これは養殖業で大量に使用するからこそ安く提供したい・早く大きく育てたいというメーカーの意図だと思います。特に大量使用においては水産飼料に圧倒的なコスパの差が生まれます。

対して、観賞魚メーカーが出している飼料は水質維持や健康管理面を重視していると感じます。

水産飼料の価格は購入量によって上下しますが、おとひめB2の1キロ当たりの単価は2500~3000円程度です。小分け品が多く販売されていますが、メーカーからは一袋2キロごとで出荷されているようです。

f:id:popopoppun:20210713232048j:plain

メーカーからは大きなアルミ袋で届きます
これを100g単位300円とすると、観賞魚用飼料と比べ如何にコスパに優れているか分かると思います。
加えて増対効果や嗜好性も勝っているとなると、あらゆる面で水産飼料に軍配が上がる為、ブリーダーや育成重視の方は水産飼料に流れている現状と思います。
他の水産飼料にはない、おとひめ特有のアドバンテージとして、メジャー過ぎるが故に小分け品が多く出回っています。小分け品がない水産飼料では原則2キロからの購入となる為、おとひめは敷居も低く試しやすいものだと思います。

3.おとひめのサイズ

f:id:popopoppun:20210713184757p:plain
おとひめのラインナップは豊富ですが、グッピーに使いやすいのはB2のサイズでしょう。サイズは0.36~0.62㎜で幼魚から成魚までサイズ問わず使えます。

他の候補としては一回り小さいB1一回り大きいC1が候補になってくると思います。

C1は成魚の雌には良いですが、汎用性には欠けるサイズでした。

また、粒が大きいと沈下性が高まったり、水分を含んで更に膨らむことも私の好みから逸れた要因です。

A、B1は使ったことがありませんが、ブラインシュリンプを使わない人には採用の余地はあるかもしれません。

S1、S2はグッピーには些か大きすぎると思います。

4.おとひめの使用感について

f:id:popopoppun:20210713231549j:plain

紹介する使用感はおとひめB2のものです。

おとひめを使用したきっかけは、何処かのサイトやブログで見かけたからだと思います。小分け品も多く販売されているので、敷居も低く試しやすいですね。

 

第一の感想は強烈なエビ臭です。野ざらしにしておくと部屋中が匂いますが、不快感を感じない美味しそうな臭いです。

使用した感想では嗜好性が非常に高い、これがおとひめ最大の魅力ですね。

私は飼料に一番要求される要素は嗜好性だと思っており、おとひめの嗜好性は数ある水産飼料の中でも選りすぐりです。

f:id:popopoppun:20210713231859j:plain

顆粒は柔らかく簡単に手で潰せて、消化にも良さそうです。

この柔らかさは食い込みの良さにも寄与していると思います。(固い餌は吐いてしまう事があります。)

 

そして、おとひめを常用していると魚が目に見えて肥えてきます。

イカロリーと謳われるおとひめですが、栄養成分的にはそこまで極端な尖り方はしていないことから吸収消化吸収率に秀でているのだと思います。

また、嗜好性の高さから一回の給餌量が底上げされることが一番効いてきます。

特にブラインシュリンプを使わない方、腹パンまで給餌できない方には恩恵が大きいと思います。

 

私がおとひめを常用しない理由…デメリットも触れます。

まず他の飼料よりも水がかなり汚れます。ベアタンク飼育ですと濾過のキャパが大きくないので、水槽管理が疎かな時に使用すると崩壊を招いてしまいます。

ブラインシュリンプや赤虫は栄養価に優れますが、水持ちも悪くありません。

沈下性なので沈むまでの時間も短いです。魚は沈下しきった餌への反応は鈍くなるので、大量に食べ残すようなあげ方はNGです。

 

最大のデメリットは肥満のなりやすさです。しっかりと給餌が出来ていると雄は間違いなく鳩胸になりますし、雌は内臓周りに脂肪が付きすぎてしまい子供が採れないという話もありました。

若魚までは腹パンまで給餌して問題ないのですが、成魚におとひめを常用するのであれば給餌量をセーブしてあげた方が魚に良いと思います。

 

生涯を通じての大量給餌は明らかに寿命が縮みます。

これはハイカロリーな飼料程、顕著に表れやすい後天的な早熟化です。

如何に早く育てるかというのは養殖業界的には重要だと思いますが、私はブリードの上であればゆっくり育てた方が良いと考えています。

何故なら早く育てた魚は潰れるのも早いから。観賞魚としてはあまり好ましくないと思います。

おとひめは端的に言えば良く食べ良く太る、ラーメン〇郎的な飼料です。

 

5.個人的評価とおすすめ度

主観ではありますが、おとひめの評価をまとめます。

5.1おすすめ度(5段階評価)

嗜好性:★★★★★

栄養価:★★★★★(消化吸収率を加味)

水の汚れにくさ:★★☆☆☆

粒の柔らかさ:★★★★☆

浮上性:★★☆☆☆ 

おすすめ度:★★★★☆

5.2特筆

・非常に高い嗜好性、カタログスペック以上の増体効果

・幼~若魚期の育成や痩せた魚の回復に効果抜群

・成魚(特に雄)に対して過給餌NG

5.3おすすめ添加物

嗜好性が高い為、嗜好性を向上させる添加物は不要と考えます。

また、ビタミンやミネラルにも優れている為、ビタミン剤やビタミン剤、カルシウム剤なども辞めておいた方がいいでしょう。これらの過剰摂取は悪影響です。

そこで魚の健康促進や水持ちを向上させる生菌剤を私からは推奨します。

水産用のサプリメントは中々コアな方でないと購入が難しいですが、ベンリーパックさんからこんなものが出ています。

通販だと楽天市場にしかありませんでしたが、店頭販売も見かけた事があるので興味のある方は探してみてください

6.まとめ

第一弾は観賞魚用に使用されている水産飼料No.1のおとひめを分析しました。

私は観賞魚用の水産飼料としておとひめ一色となっている現状に強く違和感を感じていました。

それを打破したく数々の水産飼料を試して尚、唸らされる程に完成された飼料ということが分かりました…。

おとひめ以外にも数多くの水産飼料が存在しますが、観賞魚用のベーシックな銘柄として今後も君臨し続ける事と思います。

日新丸紅飼料の銘柄は他に2種類使用したことがありますので、同じく纏める予定です。今しばらくお待ちください。