グッピーが尾びれをたたむ・閉じてしまう原因と対処法
グッピーを飼育していると、ある日を境にグッピーが尾びれをたたみ閉じてしまうことがあります。
そんなこと一度もないよ!という方もいるかもしれませんが、これはグッピーを長年飼育しているとほぼ必ずと言って良いほど経験することになるトラブルです。
結論から言ってしまうと、尾びれをたたんでしまうのはグッピーが体調を崩しているサインの1つ。
体調を崩す原因は様々ですが、放置してしまうと徐々に衰弱し、いずれは死に至ります。
しかし、正しい処置を行えれば回復するケースも少なくありません。
本記事ではグッピーが尾びれをたたみ閉じてしまった場合、どう対処すればよいのか解説します。
体調を崩したグッピーが尾びれをたたむ・閉じるのは何故?
グッピーが体調を崩したとき、防御反応として粘液を分泌します。
尾びれをたたんでしまう理屈は、この粘液によってヒレが癒着した状態になるからです。
この現象は尾びれに限らず、背びれや胸鰭などにも発生することもあります。
また、ヒレをたたむ前の初期症状としてヒレの白濁などがあり、注意して観察していれば初期段階で発見することができます。
グッピーが尾びれを閉じてしまう原因
グッピーが尾びれを閉じる原因は殆どの場合、体調を崩しているからです。
では、何故体調を崩してしまうのか、原因を解説していきます。
水あたり
グッピーが体調を崩してしまう原因で1番多いのは水あたりです。
水あたりというのは文字通り、飼育水が原因で体調を崩してしまう現象です。
主に「飼育水が変わった影響によって体調を崩した」というニュアンスで使われる事が多い用語ですね。
水あたりが起こる原因も様々ですが、1番起こりやすいタイミングは新規導入時です。
特に危険なのが、元々いたグッピーが病気などで死んでしまい、水槽をリセットせずに新しいグッピーを入れるという行為。
これをするとほぼ必ず水あたりが起こります。
水槽内は病原菌などが増えて悪い状態になっているわけですから、当然ですね。
色々な所からグッピーを買ってはすぐ死んでしまうという場合、無意識にこの行為をしているケースが多いです。
どうやっても上手く飼育できない場合は、水槽の完全リセットをおすすめします。
リセット方法はこちら
器具の共有
便利ですが、使用後はしっかり洗う事を忘れずに。
比較的レアケースではあるのですが、器具の共有によって体調を崩してしまう事があります。
先ほどと同じく、病気が起こった水槽に使用した網や水換え器具、これらを洗わずに使用し、他の水槽に感染して体調を崩すというケースですね。
色々な水槽のグッピーが次々に体調を崩してしまうという場合は、十中八九このケースです。
グッピーが病気になっていなくとも、予防のために器具の洗浄と乾燥を行いましょう。
水温の急変化
冬場の水道水は冷たいのでそのまま水槽に入れないこと。25度前後がベストです。
グッピーは水質の悪化にはかなり強いのですが、魚である以上は水温の急変化に強くありません。
水換え時などに水温が合っていない水を入れてしまうと、大きなストレスがかかり体調を崩す原因になります。
特に冬場は水温が安定しづらい為、注意が必要な時期です。
冬場はヒーターを使用して、水温の変化が起こらないようにしましょう。
他系統との混泳
色々な品種同士を混泳させたり、他所から来たグッピーを混泳させると体調を崩してしまうことがあります。
様々な憶測がありますが、これは事実です。
対策としては、他所から来たグッピーとは混泳させないという事に尽きます。
自分の管理下で生まれたグッピー達は混泳させても問題ない事が殆どなので、交配させたくても1世代待つのが無難でしょう。
私の意見では、これは別に何処かの魚が病気を持っているという訳ではないと思っています。
また、有名店・確かな所からしか買ってないから混ぜても大丈夫という訳では決してありません。
系統維持の観点からも必要性がなければ無闇に混ぜないようにしましょう。
産仔の兆候
産仔の近いメスは、踏ん張っている動作をしている時があります。
この時、一時的にヒレを閉じたり開いたりする事がありますが、特に体調を崩しているわけではありません。
お腹の膨らみや、ヒレの白濁の有無を確認して間違えないようにしましょう。
グッピーが尾びれを閉じた時の対処法
次にグッピーが尾びれを閉じてしまった時の対処法を紹介します。
発見が遅れたり重症化していても、適切な処置が出来れば回復する事もありますので、諦めないでくださいね。
餌を与えない
まず最初に心掛けてほしいのは餌を一切与えないという事。
魚は絶食に強いので半月程度ならば餌を食べなくても生きられます。
塩浴や薬浴を行うと、濾過が出来なくなりますので、餌を与えると水質が急激に悪化してしまいます。
また、内臓機能が低下している事もありますので、餌は絶対に与えないようにしてください。
治療が長引いたりした場合は、ブラインシュリンプを少量与えます。
治療前の水換え
グッピーが体調を崩す際、大抵の場合は水槽内にいる個体全てが体調を崩します。
数が少なければプラケースなどに移して治療しても良いのですが、結局は元々いた水槽のリセットが必要になります。
その点、水槽でそのまま治療を行えば楽ですし、再発が起こらなければリセットも必要ありません。
個人的には水槽での治療をおすすめします。
さて、グッピーにまだ体力が残っており、水槽の水が汚れていたら先に換水を行ってください。
理由は塩浴などで濾過が効かなくなったとき、溜まっていた汚れが水に溶けだして激濁りする事があるからです。
換水したら器具の洗浄と乾燥は絶対に行ってください。(ハイター漬けがベスト)
ハイターを用いる場合は必ず界面活性剤が入っていない商品を使ってください。(当方ではこちらを使用しています。)
塩水浴
薬浴のみで治ることもありますが、塩水浴との併用が最も効果的です。
水槽内の塩分濃度が0.5%になるように、塩を入れましょう。
今回のケースでは浸透圧調整にかかる負担を軽減することが塩水浴の目的です。
薬浴
余程酷い状態でなければ、基本的には薬浴で回復します。
色々な薬がありますが、グッピーで1番効果があるのはグリーンfゴールド顆粒です。
こちらを用いて、規定の濃度での薬浴を行ってください。
もし手に入らなければ、他の魚病薬でも構いません。
私が使って効果を実感できたのは、エルバージュエース・ニューグリーンFの2つです。
数年前の事ですが、グリーンFゴールド顆粒の販売が中止されていた時期があり、代用に使っていました。
とはいえ、今は手に入りますので、グリーンFゴールド顆粒を使うのが無難でしょう。
定期的な水換え
塩浴・薬浴後、水が酷く濁るようであれば適宜水換えを行ってください。
水質悪化で死んでしまっては元も子もありません。
また、特に濁りなどが発生しなくても、1週間毎に水換えすることをおすすめします。
水換えの際に塩や薬は新しく入れなおしてください。
まとめ
今回はグッピーが尾びれをたたむ原因と対処法について説明しました。
体調を崩してしまったら治療を行う事は勿論ですが、とにかく予防を大切にしましょう。
また、ヒレをたたんでしまっている状態が進行してくると、尾ぐされ病も併発します。
尾ぐされ病についてはこちらで解説していますので、合わせてチェックしてみてください。