グッピーを累代していると、品種としての特徴を失った個体が時々出てきます。
例えば、コブラ抜け、アクアマリン抜けなど。
今回はそんな例の1つ、ラズリー抜けのブルーグラスについて紹介していきたいと思います。
最近執筆したこちらの記事を順に読んでおくと、理解がスムーズになると思います。
あらすじを要約すると、今回ラズリー抜けのブルーグラスと、残り胎での純粋なブルーグラスが出ています。
今回指す残り胎とは、ペアリング前に掛かっていたオスとの子供。
つまり、偽物と本物が混ざっているという事ですね。
果たしてそれらを見分けることは出来るのでしょうか?
さっそく載せていきます。
ラズリー抜けブルーグラス
確認する方法がないので、推測になりますがご了承ください。
先に結論を述べてしまうと、ラズリー抜けのブルーグラスだと思います。
説明は後にして、先に写真を全て載せますね。
そちらの方が比較しやすいと思います。
ブルーグラス1
写真下手ぴですみません。
元気すぎてうまく撮れなかた。。。
これは残り胎でのブルーグラスだと思います。
ブルーグラス2
こちらも残り胎での純粋なブルーグラス。
レッドグラス
ラスト。これも残り胎でのレッドグラスですね。
レッドは比較できる個体がいないので、これ以降は省略します。
本来ラズリーブルーグラスが出るはずの交配から出てきた、ブルーグラスは以上です。
比較
こうして比べると、グッピーの飼育に慣れている人ならば表現の違いには気付くかと思います。
しかし、そもそもグッピーに興味ない人や、始めたばかりの方からしたら、「同じやん」となるかもしれません。
実際、私の友人も色々な魚を見ても、「メダカ?」「金魚?」の2択しかありません。
大半の方からしたら、そんなものなのかもしれません。
グッピーに興味のない人がこの記事を読むかは甚だ疑問ではあります。
しかし、せっかくビギナーの方が読んでくれていたら勿体ないので、違いをなるべく分かりやすく言語化したいと思います。
違い1:尾に黄色が入っている
ラズリー抜けのブルーグラスもどきと感じた個体は、尾に黄色が入っています。
対して、残り胎の純粋なブルーグラスと思わしき個体は黄色が一切入っていません。
元系統のブルーグラスには尾に黄色が全く入らないことが特徴。
つまり、右側のオスは元系統のブルーグラスの特徴をそのまま受け継いでいます。
対して、今回採ったラズリーブルーグラスには全ての個体に黄色が入りました。
これはY(オスの遺伝子)が変わったことによる影響だと思います。
(常染色体の影響もあるのかもしれません。)
Yには様々な遺伝子が含まれている為、例えラズリーという1要素が抜けても、様々な影響があるのではないかと思いました。
或いは…後で別の考察を書きたいと思います。
要約すると、尾に黄色が入っているか否が見分けた根拠の1つ。
違い2:ドットの入り方が違う
2つ目の違いはブルーグラスの特徴であるドット模様です。
左のラズリー抜けブルーグラスではドットがかなり大きいです。
右は元系統の特徴である細かく密なドットを踏襲しています。
ドットが大きいのはラズリーブルーグラスでも同じ傾向。
つまりラズリーブルーグラスからラズリーを抜いた表現と瓜二つであるということですね。
更に追い打ち。
どちらもあまり良い個体ではありませんが、左は元系統のブルーグラス若魚です。
右は今回の残り胎と思わしき個体。
柄物なので全く同じではありませんが、雰囲気は全く同じだと感じます。
この癖が系統の特徴ということですね。
ここまで2つの違いを書いてきました。
これを端的にまとめると、残り胎でのブルーグラスは元系統の表現と酷似しすぎているということになります。
今は雑種F1な訳ですから、ここまで変化のない個体がポンポンと出てくるのは流石におかしいと思います。
間違いのない証明方法
ここまでの推測は所謂「勘」ってやつです。
しかし、残り胎が出ているか見分ける確実な方法があります。
それは、Xグラス Xグラスのメスが出ているか?ということ。
本来はXグラスXブルーテールになるはずなので、ブルーグラスのメスが出てくるのはあり得ませんよね。
ちなみにXグラス Xブルーテールのメスはこんな感じ。
詳しくは前回記事を参照。
ということで、同腹メスのなかからグラス表現のメスを探します。
3匹もいました。
前回の記事と照らし合わせると、これは間違いなくブルーテールの絡んでいないメスだと思います。
実際、このメスにブルーグラスを掛ければ真偽は100%はっきりします。
ただ、わざわざ確認したところでメリットがないので、今回はやりません。
というのも、本記事の趣旨は残り胎が出ているかの真偽ではないからです。
私が書きたいことは全く別にあります。
じゃあ、ここまでの話は何だったの。
強いて言うならば、ここまで挙げた表現の差から、この子がラズリー抜けのブルーグラス擬きであると言えるのではないでしょうか。
ラズリー抜けブルーグラスはブルーグラスと呼べるのか?
で、ラズリー抜けのこの子はブルーグラスと呼べるのでしょうか。
ラズリーブルーグラスのラズリー抜けなので、呼び方としては一応ブルーグラスと言えます。
ただし、Yが全く違います。
昔似たようなことを疑問に思って、グッピーの先輩に質問した際、チャーシュー抜きのラーメンで例えてもらったことがあります。
それをパロって説明すると、チーズバーガーをチーズ抜きで頼んだらそれはハンバーガーと全く一緒なのか?
こういうニュアンスだったと思います。
実際その時は分かりやすい例えだと思ったのですが、良く考えて見ると微妙におかしい。
グッピーの話に戻すとYが変わっているわけですから、例え見た目がブルーグラスの特徴を完全に踏襲していても、遺伝子的には全然違いますよね。
これを踏まえると、単純なネーミングではブルーグラスになりますが、実際は「そっくりの偽物」という事になるのではないかと思います。
このラズリー抜けブルーグラスもどきを増やして、ブルーグラスとして市場に流したら大変な事になります。
実際似たような例が「キングコブラ」や「モスコー」になるのかな?
話の終着点が見つからないので結論を言うと、この子はブルーグラスもどきということです。
ブルーグラスのYの役割?
Yが違ってもブルーグラスのそっくりさんになってしまうなら、Yの役割はなんなんだ…というところです。
完全に私の考察なので、当てにはしないで欲しいところですが、このように思いました。
1:尾の黄色を抑えるor青く染めるor影響なし
なんでこう思ったのかというと、ブルーグラスのYを変えると漏れなく尾に黄色が出るからです。
これまでコブラやギャラクシー、アクアマリンコブラのグラスをなどを飼育してきましたが、全て尾の付け根に黄色が入ろうとしてきました。
これはコブラの影響だと思っていたのですが、今回ラズリーでも黄色が出ました。
ラズリーの影響でレッドの尾が白っぽくなるのは分かります。
しかし、黄色が出る要素ありますかね?
なんなら、ラズリー抜けブルーグラスでも黄色が出ました。
このことから、ラズリーの発色が尾びれまで干渉して黄色になるという事はないはず。
となると、ブルーグラスのYが青に染まる方向で+の働きを何かしらしているとしか思えないんですよね。
或いは他のYだけ悪さをしてて、ブルーグラス本来のYは無影響とか。
ただ、古のサイトにはラズリーブルーグラスは尾に黄色がメタメタに入ると書いてあるので、たまたまラズリーとセットの何かが悪さをしているだけの可能性も高いです。
これはアクアマリンやシンガーブルーでも作ってみないと分からないですね。
まぁ、今の時代なら作らなくても検索すればなんでも出てきちゃいますけどねw
過去のデータや書籍を参考にしていない、ただの直感的な考察の1つとして冗談半分に捉えてください。
この考察が全く的外れな可能性も高いですが、自分で考えるのは大事です。
右へ倣えばかりではつまらないので、自由に考えながら書いていきたいと思います。
それがブログの良いところかな。
2:尾柄を整える(細かくする?)
2つ目の考察。
Yのよって尾柄が整えられているのではないかなと?
先ほどと同じように他のYだと悪さするけど、ブルーグラス本来のYは無影響なだけって線も否定は出来ません。
+に働いているという事で、ニュアンスとしては同じです。
この考察理由も似たようなもので、別のYに差し替えると尾柄が乱れるからですね。
ただ常染色体の影響もあるかもしれませんし、一概に言えない部分も多いと思います。
ちなみにYが尾びれに何らかの影響を与える事は紛れもない事実です。
今回はこんなところで。
品種は変わりますが、もう暫くブリード記録が続きます。