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冬季発送に使うカイロの保温力を検証part1

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冬季発送に使うカイロの保温力を検証part1

冬季の熱帯魚の発送にはホッカイロが使われていることは多くの方がご存じかと思います。

先日、とある事情で発送した荷物が手元に戻ってきた際、思ったよりも保温されず不甲斐ない結果となってしまいました。

そこで今回は、発泡スチロールとカイロ、実際に使うパッキング袋を用いて徹底的に検証していきたいと思います。

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検証に至った記事はこちら

検証方法

検証の際は限りなく実際の発送に近づけて行います。

発泡スチロールは実際に使用している80サイズのものを使用。

25度に調整した水道水を1.5リットル入れ、パッキングを行います。

1.5リットルの理由は、普段700~800ミリリットルでパッキングをしているからです。

オスメスそれぞれで2袋。つまり合計で約1.5リットルとなります。

今回はコスト削減の為、1袋を2袋相当として扱います。これくらいの小細工であれば影響はないでしょう。

そして、2袋(2ペア相当)を発泡スチロールに入れ、実際と同じようにプチプチで梱包。これで1セットとします。

袋が嵩張らないのでいつもよりコンパクトになりましたが、入っている水量は同じなので影響はないはず。

 

空気穴は蓋の4隅に開けました。これも実際の発送時と同じ開け方です。

検証材料

今回は検証用として6セット用意しました。

それぞれについて説明していきたいと思います。

通常

いつも使用しているカイロです。エステーさんのホットジョイ貼らないカイロ。

みなさんご存じですか?私は知りませんでした。

近くのホームセンターは田舎なせいか、他では見ないような商品が割と多いです…。

 

普段使用している事から今回は「通常」と仮称します。

ちなみに60個入りで1000円未満です。あまりにも安すぎる。

オンパックス

同じエステーさんのオンパックス。

近くのホムセンだとホットジョイとオンパックスしか長時間タイプがありませんでした。

検証用に購入しましたが、同社製品で差は出るのでしょうか!?

ドンキ

ドンキホーテで売ってるやつ…よって今回は「ドンキ」と仮称します。

ドンキ販売製品だけあって安かった記憶がありますが、2年前近く前に購入したものなので値段は不明です。

Amazon

Amazonで購入したやつなので「Amazon」と仮称。

Amazonだと貼らないカイロってあまり売ってないんですよね。

そんななかでも比較的安く買えるこれはまさに救世主です。

 

他の製品が20時間表記の中、この製品は強気の24時間表記。

果たしてその実は!?

穴なし

先ほどまでは銘柄の違いによる保温力の差を比較するためのセットでした。

この「穴なし」には空気穴をあけず、空気穴は本当に必要なのかを検証します。

カイロは通常と同じものになりますので、銘柄はホットジョイです。

横入れ

最後に「横入れ」。

私はカイロを蓋の裏に貼ることで空気穴と近づけ、カイロの通気性を向上。

また、冷たい空気が内部に直接入らないようにしています。

 

しかし、それが実際に効果があるとは断言できません。

そこでカイロ蓋裏最適説を検証するため、無造作にカイロを突っ込んだだけの「横入れ」を使って検証しようと思います。

外装の違いを比較

検証のため、全ての封を同時に開けました。

現在の時刻は12時半。

これも実際の配送手続き時刻に合わせてあり、大体13~14時に郵便局(土日はローソン)に赴いています。

 

さて、まずはぱっと見の印象について比較していきます。

通常ことホットジョイは以外にも作りがしっかりしており、ガサガサとした手触りです。

通気性はそこまで良くないという印象を受けました。

オンパックスは「ふんわり気持ちいい」と謳っているだけあってふかふかしています。

表面の繊維が特徴的ですが、配送には全く関係のない要素です。

普通にカイロとして使うなら良さげです^^;

ドンキカイロは生地がうっすいなぁ…という印象。中身も少ないように感じます。

生地に厚みがなく、こうしてホットジョイカイロと比べたら雲泥の差ですね。

しかし!通気性は抜群なはずなので意外な結果が待っているのかもしれません。

Amazonカイロはまさかの使用する向きを指定。説明通り、この面が外気と触れるように貼り付けたいと思います。

ちなみに外装はどことなく桐灰カイロに近いように感じました。

立ち上がりの比較

開封した後は全てのカイロを振って空気を送り込み、しばらく様子見。

暖まるまでの立ち上がりの良さを比較します。

一番早く暖まり始めたのはドンキカイロ!

やはり生地の薄さは伊達ではなく、他カイロに圧倒的差をつけて発熱が始まりました。

ものの数分でここまで…

他のカイロはワンテンポ立ち上がりが遅く、オンパックスが2番手といったところでしょうか。

30分ほど放置して、全てのカイロが確実に発熱しました。

心配性なので普段からカイロが発熱しきるまで見守ってから、梱包するようにしています。

カイロの貼り付け(と横入れ)が完了しました!

前回の記事では玄関前のコンクリに設置しました。

しかし、ここですとコンクリの底冷えが強く、異常に冷える原因となってしまう可能性が高いです。

 

配送時、実際はトラックの中だったり郵便局の倉庫に荷物があります。

前回の記事でキンキンになったコンクリの上は検証には不適切だと感じたので、今回は少し場所を移しました。

砂利の上です。

これでも実際の配送環境よりも冷えてしまうかと思いますが、底冷えは軽減されるはずです。

ここに放置して検証したいと思います。

また、室内用のホットジョイカイロを開封

これは外の極寒と、温室の中でカイロの効果時間が変わるのか検証するためのものです。

検証結果(0時)

放置から約11時間ほど経過した0時。

1回目の水温計測を行います。

通常

通常ことホットジョイカイロは20.2度でした。

低いと思われる方もいるかもしれませんが、実際の発送ではカイロを更に多く入れるため、これよりも高くなると思われます。

また、野ざらし放置であることも少なからず影響しており、実際の配送時よりも低い水温になっていると考えられます。

 

今回はあくまで銘柄や入れ方などによる差の比較なので、カイロの数による比較については次回検証したいと思います。

Amazonカイロ

Amazonカイロは21度でした。

カイロがかなり暖かく、ホットジョイカイロよりも保温が効いています。

ドンキカイロ

ドンキカイロは20.9度でした。

Amazonカイロとほぼ同じ温度で、安いホットジョイカイロはやはり性能が低いか…。

オンパックス

オンパックスは20.6度でした。

ホットジョイカイロと同じメーカーですが、差が出そうな雰囲気です。

廉価製品とは中身が違うのでしょうか?

穴なし

もしもーし?

穴なしホットジョイカイロは発熱していません。

19.9度と割かし暖まってはいますが、酸素が足りず発熱していないようです。

こうして開封する度に酸素を供給してしまうので、実際はもっと低くなると考えられます。

横入れ

横入れしたホットジョイカイロは21.7度。

今のところ問題なく保温されていますね。

室内

室内のカイロも問題なく発熱中です。

これは当然なので表記時間である20時間後に期待ですね。

検証結果(14時)

時刻は14時。基本的には到着している時間です。

2回目の計測を行います。

通常

通常のホットジョイカイロですが、硬くなり暖かくない…。

水温も17度と冷え込んでしまいました。

グッピーが問題なく生存できるのが16度くらいまでなのでこれ以上下がってしまうと問題ありと考えられます。

15度割ったらイエローカードって感じでしょうか。

Amazonカイロ

Amazonカイロは18.8度でした。

やはり24時間表記は伊達ではなかったか…。

 

というのも他のカイロは20時間表記。

つまり昨日12時半に開封したので、今日の8時半には既に寿命を迎えているんですよね。

時間を過ぎても急に冷めるわけではないですが、じわじわと発熱が低下していきます。

ドンキカイロ

ドンキカイロは17.9度でした。カイロは冷え気味ですが、中間的な結果ですね。

頼むホットジョイ…頑張ってくれ…!

オンパックス

オンパックスは現時点でもカイロがかなり暖かいです。
結果は18.7度。

Amazonカイロに拮抗しています。

横入れ

横入れは16.3度。カイロはカチカチになっていました。

これはホットジョイカイロが悪いのか、入れ方が悪いのか分からなくなってきました。

現時点の比較では蓋裏に貼ったほうが水温は高くなりましたね。

穴なし

穴なしは15.6度。
恐らく昨日0時に開封した際に一瞬暖まってしまいました。

これは再検証が必要かもしれませんね。

カイロはまだふかふかで新品同然の状態です。

検証結果(20時)

そして来たるべきラスト計測は20時です。

余程の遠方でもない限り、どんなに遅くてもこの時間には到着しているはずです。

これで15度を下回っていなかったら、極寒時に野ざらしでもカイロ2つだけで最低限の保温はできたということになります。

通常

ホットジョイカイロはかっちかち。やはり値段なりか…と思いましたが!!!

まさかの発熱状態!

16.7度をキープしておりました。これは14時の水温とほぼ変わりません。

ホットジョイカイロ、ここにきて息の長さを見せました。

 

配送時のカイロには瞬間風速的な高温でなく、継続的な発熱が求められるのでカイロの数を増やして温度が保てるようにすれば十分実用可能でしょう。

 

繰り返しますが実際はカイロの数をこれよりも増やして送るので、カイロの数については次回検証したいと思います。

Amazonカイロ

Amazonカイロは18度でした。流石の持続力でカイロも固まらずまだまだ暖かいです。

ドンキカイロ

ドンキカイロはまさかの最下位で16.4度。

カイロは固くなりすぎて冷え冷えの状態になっています。

惜しくもここにきて息切れとなってしまいました。

オンパックス

始めに謝罪させていただきます。写真撮れていませんでした…。

ただ、まだまだ暖かいということでカイロの写真が撮ってあり、水温はある程度保温できていたと記憶しています。

横入れ

横入れは15.1度でした。

これでカイロは穴の近くに設置したほうが良いということが確定しましたね。

カイロが袋にしっかりと触れていないため、保温が上手くいかなかったと考えられます。

また、カイロを入れる隙間を確保したせいで通気性が良くなりすぎたことも原因の1つだと思います。

蓋裏のカイロはまだ発熱していたのに対し、こちらは冷えていました。

穴なし

穴なしは15.4度でしたが、先ほどと同じ理由でこの結果は恐らく正しくありません。

でないと、発泡スチロールの断熱力のみで30時間以上放置して25度→15度まで保温できたということになってしまいます。それはありえません。

また再検証したいと思います。

カイロの生存確認

最後にカイロの温度を計測して、カイロが効いているかどうか確認します。

当然ですが、穴なしに使ったカイロは酸素を取り戻してバリバリ発熱しています。

 

また、ホットジョイカイロ、Amazonカイロ、オンパックスは発熱を取り戻しました。

つまり、まだ余力を残しているということになりますので、今回の記録では保温できるほど発熱しきれなかったということになります。

これはカイロの量を増やせば更に高い温度で保温できるということになりますので、次回検証したいと思います。

室内に放置していたカイロは以外にも冷え切ってしまいました。

つまり、通気性が良すぎるとカイロの寿命を速めてしまうということになります。

これは当然といえば当然ですが、発泡スチロールでは通気性を絶妙に調整する必要があるということですね。

 

ドンキカイロは生地の薄さから立ち上がりこそよかったものの一番早く冷め始めてしまいました。これも通気性が原因ですね。

 

最後にカイロを出した状態で、温室に4時間放置したところ、衝撃の結果になりました。

横入れとドンキは完全に冷め、オンパックスとAmazonカイロは冷え始めました。

そして、なんとホットジョイカイロが猛発熱!驚異の47.7度を叩き出しました。

 

今回の検証で最も息の長いカイロという結果となりましたが、恐らく生地の厚さから通気性が悪かったのだと思います。

その為、発熱が弱く保温力も他より低くなってしまいましたが、結果的に長期間発熱することができました。

 

同じホットジョイカイロなのに、横入れが力尽きてしまった理由も通気性ですね。

今回の検証でカイロ本体と発泡スチロールの通気性がいかに大事か実感しました。

結果

簡単に結果をまとめます。

銘柄別比較

通常(ホットジョイ)→保温力△、発熱時間◎、通気性△

ドンキ→保温力〇、発熱時間×、通気性◎

Amazon→保温力〇、発熱時間〇、通気性〇

オンパックス→保温力〇、発熱時間〇、通気性〇

 

入れ方別比較

通常→保温力〇、発熱時間〇

横入れ→保温力△、発熱時間△

穴なし→保温力→×、発熱時間×

まとめ

スラスラ書いているつもりが5000字を超えて2時間以上経ってしまったので、まとめは簡潔に。

 

1.カイロは通気性が高いほど保温力が上がるが、比例して発熱時間が短くなる。例えば100の燃料があるとして、一時間に10使うか20使うかという違い。ここでいう燃料を増やすためにはカイロの数を増やす必要がある。

 

2.カイロの中身には恐らく差はあまりなく、カイロの通気性と発泡スチロールの通気性のバランスが重要。

 

3.通気性が良くなりすぎてしまうので、カイロ周りは隙間を空けすぎないこと。つまり蓋の裏や袋の上がベター。

 

4.発泡スチロールには必ず穴をあけろ!

 

次回、カイロの数で保温力は変わるのか?お楽しみに。